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【症例】エムドゲインを用いた歯周組織再生療法
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2023/05/10 症例
治療内容 | 歯周組織再生療法 |
---|---|
期間 | 18ヶ月 |
治療回数 | 28回 |
費用 |
エムドゲイン 1か所55,000円~88,000円(税込) |
治療前の状態・主訴
患者様は50代の女性の方です。「歯がぐらぐらする、嚙むと痛む、歯茎から出血する」とのことで、典型的な歯周病の所見でした。
まずはパノラマレントゲンを撮影し、歯槽骨の状況を確認しました。その結果、全顎的に歯周病が進行しており、特に右側には残念ながら抜歯が必要な歯もあることがわかりました。
治療詳細
治療を進めて行くにあたって、まずは抜歯が必要な歯を先に抜いていきます。これは抜歯した部位の歯肉が安定し、隣の歯が清掃しやすくなるためです。
次に、被せ物が入っている歯はできるだけ仮歯に置き換えていきます。
仮歯に置き換える際は、基本的に仮歯を連結して入れていきます。つなげることで歯の動揺をコントロールし、歯周組織への負担を軽くすることができます。また歯周治療時に仮歯を外すことで、治療を容易にすることができます。
下の画像は可能な限り仮歯に変えた時のレントゲンです。治療前のレントゲンに比べ、白く写っている人工物が無くなっているように見えると思います。
抜歯と仮歯への置き換えが終わると、歯周基本治療が始まります。
今回の治療の流れは以下の通りでした。
・スケーリング
主に歯の表面の歯垢や歯石を歯科専用の道具で取り除いていく処置です。
・SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
中等度以上の歯周病では深い歯周ポケットが形成されます。歯周ポケット内の根面は歯石が付着し粗造になります。この根面(ルート)を滑沢(プレーニング)にし、歯石を取り感染セメント質を除去する処置です。
・再評価
上記の処置を行い2週間程度様子を見て、再度評価していきます。検査項目は、歯周ポケットの深さ、出血や排膿の有無、歯の動揺、炎症の状態などです。結果が良好の場合はメンテナンスに移行します。排膿や炎症などが残った場合は、歯周外科処置を検討していきます。
・歯周外科処置
今回は部分的に歯周ポケットが残り、歯に沿って垂直的な骨吸収が認められたので、エムドゲインを用いた再生療法を行いました。上下左右の臼歯部を4ブロックに分け、1ブロックずつ処置を行っていきます。
・再評価
歯周外科処置前と後で、どのように変化したのかを確認します。一番大事なのは歯の動揺(ぐらつき)の確認です。動揺度の大きさによっては、最終補綴物(被せ物)の設計が変わります。
・最終補綴
再評価で得られた結果から、連結した補綴物を入れていきました。これを歯周補綴と言い、被せで嚙み合わせをコントロールすることで歯周組織に対する負担ををコントロールします。補綴治療が全て終わるとメンテナンスに移行します。
治療後の様子
歯周ポケットが改善し、歯の動揺もほとんど無くなりました。患者様もブラッシング時の出血もなくなり、しっかり噛めるようになったことで、治療の効果を実感できたと思います。部分的に知覚過敏が出ていましたが、あまり強い症状ではないので経過観察としています。
主な副作用・リスク
・予後を完全に保証するものではありません。
・自由診療での治療となります。
・治療を行うことで全ての骨が再生するわけではありません。再生療法が行えるのは部分的に骨が吸収している場合です。全体的に骨が吸収している場合や、歯根の先端まで骨吸収している場合は行うことができません。
・重度の糖尿病、ステロイド治療や骨粗鬆症の薬を使用されている方は、術後感染のリスクがあるため治療できない場合があります。
・歯周外科処置を行うと知覚過敏が強く出ることがあります。症状がひどい場合、神経を取る処置が必要になることがあります。
・歯周病は症状なく進行します。治療後にメンテナンスを怠ると、治療前の状態に戻ってしまう場合があります。
当院では再生療法を含めた幅広い治療法をご提案いたします
今回の再生療法で用いたエムドゲインはスウェーデンのビオラ社で開発され、世界40か国以上で使用されています。副作用の報告もありません。日本では2002年に厚生労働省の認可を受けていますが、保険適応外の歯科材料です。
エムドゲインは幼若豚の歯胚組織から抽出されるタンパク質の一種で、歯周外科処置時に歯根面に塗布することで、セメント質、歯根膜、歯槽骨の再生を促します。効果的な薬剤のため、歯周病治療の際はぜひ検討したい治療法の一つです。
しかし、全ての歯周病の患者様で使用できるわけではないため、患者様ご自身が再生療法の適応かどうかはクリニックにて確認する必要があります。
馬車道アイランドタワーでは、エムドゲインによる再生療法含め、様々な治療法から患者様に最適な治療法をご提案いたします。歯周病でお悩みの方は、ぜひ一度馬車道アイランドタワー歯科までご相談ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
馬車道アイランドタワー歯科 院長鈴木
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