新着情報
歯並びに影響を与える過剰歯とは?症例をもとに詳しく解説
カテゴリ
月別アーカイブ
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
2022/08/01 ブログ症例
過剰歯という言葉を聞いたことはありますか?過剰歯とは通常生えてくる歯よりも多く形成された歯のことです。
人の歯の本数は乳歯が20本、永久歯が28本と決まっています。親知らずを入れると32本ですが、親知らずが生えてこない、または1本もない方がおられるので、永久歯は28本と数えられることが多いのです。
この本数の歯以上に生えてきた歯を過剰歯といい、私たち歯科医にとっては珍しいものではありません。20〜40人に1人位の割合で見つかり、男性に多く現れる傾向にあります。過剰歯は永久歯なので、取り除くには抜歯をする必要があり、上の前歯と親知らずの奥に多く見られます。
過剰歯の原因
歯は顎の骨の中にある歯胚と呼ばれる、歯の卵から作られます。過剰歯が発生する詳しい原因はよくわかっていませんが、この歯胚が何らかの原因で多く作られたり、分裂することで過剰歯が発生すると言われています。
過剰歯の治療
過剰歯には通常の歯と同じ向きに生えてくる「順正過剰歯」、歯冠と歯根の向きが上下逆の「逆生過剰歯」があります。
順正過剰歯は通常の歯と同じように生えてくることがあり、ほとんどの場合は後続永久歯の邪魔をしています。逆生過剰歯は基本的に歯茎や骨の中に埋まったままのことが多いです。
レントゲンを撮ったことで初めて過剰歯の存在に気付くこともあり、そのような歯茎の中にある過剰歯は他の永久歯に影響を与えていなければ経過観察をします。しかし、埋まっている状態でも後続永久歯の萌出の邪魔をしたり、歯並びに影響を与えるようであれば抜歯をします。
過剰歯の症例1
6歳男の子(正中過剰歯)
主訴:乳歯が抜けて大人の歯が生えてきたけど、形がおかしい。
乳歯が抜けた後に生えてきた歯が、先が尖っていてハの字になっています。レントゲンを撮ると、ハの字になっている歯の上に左右同じ形の永久歯が確認できます。
先に生えてきた歯は過剰歯(順正)だと分かりました。この状態だと後続永久歯が生えてくることができなかったり、歯並びの乱れ(歯列不正)が生じる可能性があるため、過剰歯を抜歯することにしました。抜歯後は、経過観察をしていきます。
治療期間 | 3週間 |
治療回数 | 3回 |
費用 | 保険適応 |
主な副作用とリスク | ・抜歯後腫れ、痛みが出ることがあります。 ・過剰歯を早く抜歯しても、永久歯列になった後、 矯正治療が必要になる場合があります。 |
過剰歯の症例2
28歳女性
主訴:親知らずを以前抜いたが、また生えてきた。
2枚のレントゲン写真があります。右の写真が親知らずがまた生えてきた、と来院された時のレントゲンです。円で囲まれている細い歯が過剰歯です。
左のレントゲンは4年前に親知らずを抜く前のもので、よく見ると親知らずの上方に過剰歯が確認できます。このような親知らずの奥に生えてくる過剰歯は清掃性を考慮して抜歯をします。
治療期間 | 2週間 |
治療回数 | 2回 |
費用 | 保険適応 |
主な副作用とリスク | 抜歯後腫れ、痛みが出ることがあります。 |
過剰歯の症例3
10歳女の子(逆生過剰歯)
主訴:前歯の歯並びを見て欲しい。
前歯の永久歯が生え揃っているのに正中(真ん中)が開いていたため、レントゲンを撮り異常がないかを確認しました。レントゲンでは骨の中に埋まっている逆生過剰歯が確認でき、
この過剰歯の影響で正中で歯が開いてしまう、正中離開という歯列不正になっていることがわかりました。
この過剰歯があると歯列が整わないため抜歯をすることにしました。骨の中に埋伏している過剰歯の抜歯は、口腔外科での抜歯をお願いしています。抜歯後、歯列矯正で歯並びを整えていきます。
治療期間(見込み) | 約2年6ヶ月 |
治療回数(見込み) | 約30回 |
費用(見込み) | 抜歯:保険適応 矯正:\499,400(税込) 24回分の調整料込み |
主な副作用とリスク | ・抜歯後腫れ、痛みが出ることがあります。 ・矯正治療は保険適応外になります。 |
<定期検診で過剰歯がないか確かめましょう>
上記の症例のように、過剰歯はレントゲンを撮ることでわかることが多く、ご家庭で過剰歯があるかどうかを判断するのは非常に困難です。「前歯の形がおかしい」「歯と歯の隙間が開いたまま」など、年齢や状況により過剰歯への対応が異なりますので気になることがあればご相談下さい。
また、歯科を受診することで見つかることが多いので、定期検診を受けることをお勧めします。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
こちらもご参照ください。