新着情報
深い虫歯に対しMTAセメントを用い神経を残した症例
カテゴリ
月別アーカイブ
- 2025年02月
- 2025年01月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
2025/02/10 症例
治療内容 | セラカルLC(MTAセメント)を用いた歯髄覆髄 |
---|---|
期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
費用 | 保険適応 |
治療前の状態・主訴
今回の患者様は30代後半の男性の方です。本来の主訴は違う部位でしたが、口の中全体とレントゲンを照らし合わせて確認すると右上4番目にかなり大きな虫歯があることが分かりました。その部位に関して患さまに聞いてみると、普段生活していて全く症状がなく虫歯があることすら気が付いていませんでした。実際下の写真を見ても何処に虫歯があるか分からないと思います。
治療詳細
レントゲンで黒く見える部分が虫歯です。表層のエナメル質に小さな穴があり、中の象牙質で広がるのが虫歯の進行の特徴です。麻酔をして削ってみると中が空洞になっていて虫歯が大きいことが分かります。
健全な歯質を出来るだけ残し感染歯質(虫歯)を取り除き、神経に近く深い部位はう蝕検知液を使いながら慎重に削っていきます。全ての感染歯質を除去した時点で露髄(神経の露出)しました。
露髄部を洗浄して止血を確認したらセラカルLCで神経を保護し、CR(コンポジットレジン)にて修復していきます。
今回のように歯質が十分に残っている場合はCR(コンポジットレジン)にて修復できることが多いです。
治療後の様子
処置後数日間は鈍い違和感があったようですが、その後は特に症状は無いとのことでした。
処置1年半後に撮影したレントゲンでも良好な状態です。
主な副作用・リスク
・予後を完全に保証するものではなく、必ず神経を守れるものではありません。
・治療終了後に一時的に咬むと痛い、しみるなどの症状が出る場合があります
・虫歯の大きさによってはCRで修復できないことがあります。
セラカルLCとMTAセメントの活用で神経を残すう歯治療
セラカルLCは光重合型MTA系覆髄材です。MTAセメントとはケイ酸カルシウムを主成分とし、水分を吸収することで硬化する水硬性セメントです。
硬化するとカルシウムイオンを放出し、強アルカリ環境を維持して殺菌作用を発揮します。
また、硬化時に膨張することで緊密に患部を封鎖し、感染の元となるすき間を塞ぎます。
このように露髄部を殺菌して封鎖することにより、新しい良質な歯質の形成を促します。
ただし、MTAセメントは粉と水を混ぜて硬さを調整するため操作が難しく、硬化に時間がかかるため手技エラーの問題がありました。
一方、セラカルLCはシリンジタイプなので、露髄部に直接貼付することができ、光照射20秒で硬化させることができるため短時間での処置が可能となり、感染のリスクがより少なくなりました。
偶発的な露髄にも早急に対応できるので、非常に扱いやすい材料です。
急なお口のトラブルで歯医者に行くと、ご自身が気にも留めていなかったところに「虫歯があります」と言われたことはありませんか?
今回の症例のように主訴は詰め物が取れたということでしたが、全く違う場所に大きな虫歯が見つかることは多々あります。
虫歯の進行具合としては幸いにも患者さま自身が何も症状を感じていない状況だったため、神経を残し良好な経過を得ることが出来たと思います。
虫歯になっているが症状がないというのがポイントで、温かいものがしみる・咬むと痛む・自発痛がある等の症状がある場合は、神経への細菌の感染が大きいため残念ながら神経を取らなければならない場合もあります。
神経を取ると10年、20年単位で様々なリスクが生じる可能性があるので、できる限り神経は保存したいと考えています。
馬車道アイランドタワー歯科では患者様自身の歯を可能な限り保存することを考えています。自分の歯に勝るものはありません。
そのためMTAセメントやマイクロスコープを用いた根管治療を積極的に取り入れております。
状況によっては保存できないこともありますが、他院で神経を取らなければいけない、抜歯をしなければいけないと言われた方はお気軽にご相談ください。
スタッフ一同お待ちしております。
馬車道アイランドタワー歯科 院長 鈴木
こちらもご参照ください。